
先日、民家を改造したある小さな介護施設を、
打合せでご訪問したところ、
玄関で応対に出てくれた若い女性スタッフの方が、
「所長は二階なんで。」って言うんです。
「今降りてくるから少し待って欲しい」
という意味かな?と思ってその場に留まっていると、
どうやらそういう意味ではなさそうです。
「あ、上がって中で待っていた方がいいんですね?」
と言いながら靴を脱いでいつも通りに玄関わきの、
打合せコーナーに向かおうとすると、
「あ、今、二階なんで」って制止するような感じで、
また言うんです。
???一瞬真意を測りかねましたが、
すぐに以前のある話を思い出して、
「二階に行けばいいんですね?」と確認すると、
「はい」とのこと。
ですが私は、こちらの介護施設さんでは、
1階の打合せコーナー以外はよくわかりません。
それに一人で勝手に階段を昇って行くことにも、
ちょっと戸惑いを感じたのですが、
説明も誘導もしてくれないみたいだったので、
「この階段を昇ったらわかるんですね?」と念を押して、
不親切だなぁと内心思いながら、階段を上りました。
実はこの介護施設さんでは、
二階に家族との面談ルームがあります。
そこは元々物置だったのですが、
ご家族との面談ではナーバスなお話も多く、
話しながら泣き出す方も多いため、
プライバシーを守るためにそのような小部屋に改造した、と、
女性の所長さんがおっしゃっていたのを思い出したんです。
階段を上がっていくと、ニコニコと所長さんが、
ドアを開けて「こっち、こっち!」と手招きして待っていて、
「今日はスタッフに聞かれたくないので、こっちにしたの。」
とウインクして迎えてくれました。
そういうことか!と合点がいきましたが、
それにしても先ほどの女性スタッフさん、
ちょっと言葉が足りないですよね。
たぶんこの施設さんではよくあることで、
「所長は二階」と言えばたいてい伝わるのかもしれませんが、
私は打合せコーナーしか知りませんし、
所長さんの以前のお話を思い出さなければ、
事情も飲み込めなかったと思うので、
せめてひとこと「二階にどうぞ」とでも、
言ってもらえればよかったのにな、と思いました。
* * * * * *
最近、色々な会社さんをご訪問して感じるのですが、
受付時のご案内が言葉足らずのケースが、
すごく多いように思います。
昨日も、あるオフィスビルの高層階にある、
お仕事先に打ち合わせで伺ったのですが、
今時のオフィスらしく、入口を入ると、
ドアのある狭い空間に電話機が一台しかありません。
受話器を取って指示されたように内線をかけると、
「少々お待ちください」と言われて、
担当者に私の来訪を告げて指示を仰いでいるのかな?
と思っていたら、電話、ガチャ、と切れちゃいました^^
間髪おかずに担当者さんが「どうも!」と現れたので、
迷わずにすみましたが、この場でも、
「担当者がただいま参ります」と、
ひとこと言って欲しいですよね。
この頃この応対が本当に多いんです。
この会社は派遣会社さんなので、
派遣登録や面談などで、
利用者の方の出入りが多いため、
自然とそういった流れになっているのでしょうが、
初めてのご訪問だと勝手がわからないので、
やっぱり戸惑ってしまいます。
たぶん、お馴染みさんが多い事業者だと、
きっとそうなっちゃうのだと思いますが、
相手がそうなのか違うのか見極めて、
その人に応じた対応をしてくださると、
うれしいんだけどな。。。
昨日は午後も打ち合わせがあって、
同じように入口で総務に内線をかけたのですが、
この会社さんは「それでは3階にお越しください」と、
きちんと言ってくださいました。
大切に扱われたいというのではありません。
お客さんが判断に迷ったり不安になるような、
情報不足のご案内は、敬語や礼儀以前の問題で、
とっても不親切だと思うんです。
別にスマートな敬語でなくても丁寧な言葉遣いでなくても、
「社長は上にいますから、そっち行ってくださーい」
で良いんですよね。それがあるだけでとても安心するし、
ビジネスの現場でお互い無駄なく効率よく動けます。
そういった小さな配慮こそが、
本当のビジネスでのマナーであると思うんです。
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