
帰省してきた次男から、
向こうでカッターマットを探したところ、
近隣の店になかなか置いていなかった話を聞きました。
「うち(実家)でやっていることは、
ウチ(ひとり暮らしのアパート)でもやるんだよ。」
という会話をしていた中のひとつです。
私は20代から30代にかけて版下という仕事をしていたのですが、
これは印刷物を仕上げる一工程で、
カッターや専門の糊を使って進める作業なのです。
仕事をする机には常に三角定規、カッター、マット、
そして糊やセロテープ、ピンセットなどがあるため、
この環境と利便性や効率に慣れてしまうと、
自宅にもそれらがないとすごく不便に感じてしまうんですよね。
そのため若いころから自分の机の上には、
それらの用品類がすぐ手が届くところに置いてありますし、
茶の間や台所など、自分が何か手作業をしそうなところにも、
必ず置いてあります。
実はパートさんを採用して夫と自営でやっていた時期もあるため、
DTPの時代の流れで廃業した後はそれらを自宅に持ち帰り、
自分の周りの色々なところに置いていたというのが真相です。
紙を切るときに私はほとんどハサミは使いません。
カッターマットの上で定規を当ててカッターでカットします。
だってそのほうが圧倒的に早いしきれいだし、
それにきっと以前の仕事柄、
ハサミを使うという気持ちがそもそもないんだと思います。
ところが親のそんな様子を日常的に目にしていると、
そのスタイルって自然に息子にも移っちゃうんですねぇ。。。^^
なので思わずこう返しました。
「だいたい他の人は何かを切るときに、
カッターなんて使わないかもよ?
そういうところで、うちはちょっと変だから(笑)、
わかっていたほうがいいよ?」
「そうなんだよなぁ。
俺、友達の部屋に遊びに行ってもすぐに、
セロテープない?カッターない?とか聞いて、
普通にどこの家にもあまりなかったりするので、
え?と思っちゃったりするんだよね。」
そうなんですよね(苦笑)。。。
今はもう社会人として他県で働く次男ですが、
大人になって初めてそういうところに気づくわけです。
ですが逆に考えてみれば、
親が口を酸っぱしくて「ああしなさい、こうしなさい」
と言ってさっぱり身に付かないことも多いのに、
こういった生活習慣?とかライフスタイルのようなものは、
言わなくてもしっかり受け継がれちゃうのよね。
こういうところが<子供は親の背中を見て育つ>
と言われるところなのかな?って思います。
言葉と言うのは頭で考える論理的な符号のようなものですが、
モデルがある、モデルがいる、モデルを見る、といった、
目の前のリアルなお手本にはかなわないんだね、やっぱり。
それで得られる情報量も圧倒的に多いですしね。
先日は結婚したばかりの長男夫妻が帰省して来て、
先方のご家族と会食をしたのですが、
長男のカメラ、すごい、、、なんか高そう。。。
しかも「じゃ、写真撮りましょうか?」の流れになったら、
なんと三脚まで持参してるよー、いつの間に。
そこで思わず、
「あんた、これ、なんかすごく本格的じゃない?」
と言ったら、「俺、写真撮るの、好きなんだよね。」
うわ!!!
昨年から始めたFacebookが楽しくて、
その日のランチやデザートや、
出張先の風景やら看板やら何やら、
くだらないものまでいちいち写真に撮って、
アップしちゃっている私ですが、
それはやっぱり写真を撮ってみんなに見てもらうのが、
好きだからです。。。
そのときは彼に何も言いませんでしたが、
内心(うわー、長男にはこっちが移ったか~)と思いました。
親子関係でも、あるいは職場の上下関係でもそうですが、
子どもや部下は意外なところでモデルと同じように振る舞うし、
上の立場の人が「できていないっ!」と感じるところは、
実は自分が「できていない」ところなのかもしれませんね。
- 関連記事
-
スポンサーサイト