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若い人はまず説明から

説明



昨日書いた「人に鍛えられる」に関する話題を、
朝食時に家族に話したら、
意見が一杯出て、最後にはテーマが少々違う方向へ。


まとめると、上の世代の人達は、
「仕事は先輩のやり方を見て自ら覚える」という文化の中で、
自分達もそれが当然と思ってやってきたけれど、
今の若い人達は「仕事は教わるもの」と思っているので、
そこに大きな齟齬が生じる、ということでした。


あぁ、そうですね。それは確かにそうだと思います。
でも自分のことを振り返ってみると、
私自身は「若い人」と今言われている人達の
考えの方にかなり近かったと思います。


だから教える仕組みが整っていないと不満でしたし、
先輩の教え方が上手じゃないと、
「なんでこの人が育成担当なの?」と、
瞬時にやる気を失いましたし、
誰も丁寧に教えてくれない時は、
会社の社風そのものに疑問を持ったりしました。
人にちゃんとした仕事をして欲しいのなら、
そういうところをきちんとしないとダメじゃん、と思いました。


それがそう思わなくなったのは、
色々ときっかけがあるのですが、
1つめは製造の仕事をしていたときに、
単純作業の繰り返しがあまりに退屈でつまらないので、
せめてもの自分の心の楽しみのために、
数の目標設定をしたことです。


実は私は数値目標だけでは
なかなか意欲が上がらないタイプなのですが、
いいタイミングでそこに
高飛車で嫌味な先輩(女性)が現れました。
新しいラインに移って少し言葉を交わしたら、
そこでいきなり「そのやり方じゃ数なんて一生上がんない」と、
頭ごなしにダメ出しされたのです。


言い方も意地悪な感じだったのでその物言いにも納得がいかず、
その日は一日不快な思いだったのですが、
次の日、「こういう人にこそ近寄って教えを乞えば、
仲良くもなれるし、ヒントも得られるだろう」と、
ふと思ったのです。・・・で思いついたら早速実行!


そしてその先輩とはすっかり親しくなり、
やがて私の目標になり、
彼女に追いつき追い越すためにはどうしたらいいか、
本気で真剣に考えるようになりました。


こうなるともう
「教えてくれる・くれない」の世界ではなくなり、
常に早い人と自分を見比べて直せるところは直し、
自分の手数や手順に少しでも無駄を発見したら、
どうすれば効率よくなるか自分で考えてまた修正して、
そうしているうちに1日の生産個数が、
どんどん上がってきました。先輩にも追いつきました。


そしてあれほど退屈で、
「お金のため」と割切っていた仕事が、
すっかり楽しくなってきました。
そしてその時のその先輩は今でも会えば話が弾む、
素敵な友達になりました。



今から15年以上も前の話ですが、
このあたりから、自分は変わって来たんですよね。


    *    *    *    *    *    *


次の仕事はプロバイダのコールセンターでしたが、
これは当時の自分にとっては
本当にハードルの高い難しい仕事で、
研修を受けても何がなんだかさっぱりわからず、
その状態であっという間に独り立ちさせられて、
休日はたったひとりで全国からの問合せに対応するんですよ。


今ならあり得ない話ですが、
当時のセンターは応対品質にも無頓着で、
人の育成もそんな感じでした。


しかしこれは逆に必死にならざるを得ません。
だって助けてくれる人が誰もいないんですから。
物事をよく理解して、
人に伝えられるようにまでなっていないと、
自分が一番困るのです。
よくわかっていない分野の難しい質問が来た時などは、
手から顔から汗が一斉に噴き出します。


法人部門だったのでお問合せを下さる方は、
ほとんどが会社のシステム担当者やIT系のベンダーさん。
付け焼刃で電話に出ている素人同然の私などより、
よほど詳しくキャリアのある方達なのです。
その方達が自分達よりも詳しいと思って、
専門用語をバンバン駆使して質問をしてくるのですが、
休日は聞ける人が周りに誰もいません。


ここから先は本当に毎日よく勉強しましたし、
受験の時よりも必死になってやったので、
このぐらいの真剣さと崖っぷち感があれば、
きっと希望校も受かっていただろうと思えるぐらいでした。


結局人って、自分にとってストレスのある環境が与えられて、
どうにかそれを回避したいと思えば、
それなりにあれこれと自分で考える物なんですよね。
たとえそこで得た結論が、前向きなものではなかったとしても。


    *    *    *    *    *    *


当時の私は家計が切羽詰っていたので、
働く一番の理由はとにもかくにも収入でした。


前述の仕事はどちらも30代後半を過ぎてからだったので、
辞めるという選択肢は全く頭になかったのですが、
今も昔も、若い人達はそこまでの切迫感はないと思います。
「嫌気がさしたら辞める」というのは私の頃にもよくあり、
決して今の人達だけの傾向じゃないと思うんです。


では何が違うかと言えば、
教育全体が人に対してとても神経質に緻密になって、
「自分達は大事にされて当たり前」という考え方が、
大勢を占めるようになっちゃったことだと思うんですよね。


でもそこに文句を言ったって始まらないです。
そこにその事実がある以上、
人の育成も少しそっちに寄って行かないと、
確かに齟齬も出てくると思います。


自分がリーダー職で新人さんを育成する時に、
やってよかったと思うことは、
「最初に説明する」「予告する」「イメージさせる」
ということでしょうか。


いつでもどこでも手取り足取り丁寧に教える・・・のではなく、
「業務上、先輩達にはその余裕がないから、
途中からは自分で勉強していかないと付いていけなくなるよ」
と最初のうちに言いましたし、
「先輩達は忙しいから黙っていたら誰も教えてくれないけど、
やがて皆さんにもそれがわかるはずだから恨んじゃダメね」
「ここでは『仕事がわからない』
イコール『お客様に迷惑をかける』ことだから、
嫌な顔されても忙しそうでも緊急性がある事なら、
必ずつかまえて判断を仰ぎなさい。仕事ってそういうことです」
とも言いました。


私と同じように、業務が難しくて日々苦労している新人さんには、
「どんな人でも4000件電話を取ったら世界が変わるから
それまでは向き・不向きなど考えないで4000件取ってから考えて」
と言った事もありました。(計算したらだいたい3ケ月でした)
自分がそうだったから、だいたいの目途をイメージしてもらうのも、
ストレスの軽減になるかな?と思って。
人は先が見えると辛抱できますもん。


今の若い新人さんでも、
「会社は仕事を教える学校ではありません」
「ここの職場では先輩達はこう思っています」
「当社ではこれこれこういうことを重視します」などと、
・できるだけ最初に
・少々厳しめに
・口頭で明確に
・個々に直接そう告げて(全体の訓示でなくリーダーが現場で)
まだ意欲的で素直なうちにしっかりYESを取っておくことで、
昔からのやり方を踏襲している会社でも、
少しはタフな気持ちで、
付いて来てくれるのではないかと思っています。


そんなことは最初からわかっているのが常識なんて言わずに、
当たり前のことでも一度言葉にして伝える。初めに分かり合う。
今はそのひと手間が肝心だと思います。


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Author:笹ちゃん
人材育成コンサルタント、プロコーチ、研修・講演講師 笹崎久美子の外部ブログ。
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