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クレーム返信は「1対1」の言葉で書く


537652.jpg


いくつかの会社さんのCS向上のお手伝いで、
お客様対応部門のスタッフの皆さんを指導しています。


といっても、対面の接客販売マナーなどではなく、
(それは私の専門外です^^)
主に電話応対とメール応対の部分です。


最近の若い皆さんは、家に固定電話がなく、
子どもの頃に、大人からかかってきた電話を、
両親に取り次いだ経験があまりありません。


メールも、今のやりとりは仲よしさんとのLINEが主流ですので、
ビジネスメールのパターンを、そもそもほとんど見たことがない、
という方も多いんです。


中でも改善点を強く感じるのは、
お客様からのクレームメールへの返信です。


たとえば、あるホームセンターに問い合わせをした
個人のお客様から、以下のようなメールが届いたら、
皆さんはどのように返信しますか?


--------------------------------------------------------
御社からのメールに電話番号の記載がなかったので、
ネットで検索して番号を調べましたが、
「直接お電話ください」と書いておきながら、
必要な情報がないのは、配慮に欠けると思います。
そういった場合は、
どこに電話すべきかきちんと書くべきではないでしょうか?

--------------------------------------------------------


これに対して、よくあるNG返信としては、
以下のようなものです。
実はこのパターン、本当によくあります。
そしてこういったメールが、さらなるクレームの発端になることも・・・


--------------------------------------------------------
このたびはご利用ありがとうございます。
お電話いただく場合は、022-XXX-XXXX にお願いいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

--------------------------------------------------------


なぜなら、このお客様のメールの主旨は、
「電話番号がわからない」ことではないからです。


この場合は電話番号が知りたいわけではなく(それは自分で調べて解決済み)、
「直接電話してくれ」と言いながら、電話番号が書いていなかったことへの、
必要情報の不足について不満をもって言及しているわけです。


要するに、お客さんであるこの私に面倒な手間ひまをかけさせて、
あんた、もうちょっと、他人の立場に立ったメールを書いてよね、です。
その不満な気持ちに対しての回答が欲しいわけです。


なので、その感情を十分に吸い上げた文面にしないと、
お客様は気持ちがスカッとしないわけですよね。
・・・で、1往復で終わらずに、へんてこりんにこじれてしまう・・・と。


多少極端な言い方になってしまいますが、
クレームメールへの返信は、
「1対1」対応の言葉のキャッチを心がけるとよいと思います。


一見、無駄と思えるお客様の文章でも、
必ず意味と思いがこめられているわけですから、
ひとつひとつをまず解析してみるとよいと思います。


例えば・・・


御社からのメールに電話番号の記載がなかったので、
   ↓   ↓   ↓
お客様は言われた通りに、直接電話しようと思ったわけですよ。


ネットで検索して番号を調べましたが、
   ↓   ↓   ↓
電話番号が書いていなくても、自分で調べてくれたわけですな。


「直接お電話ください」と書いておきながら、
必要な情報がないのは、配慮に欠けると思います。

   ↓   ↓   ↓
全くその通り。


そういった場合は、
どこに電話すべきかきちんと書くべきではないでしょうか?

   ↓   ↓   ↓
わざわざアドバイスしてくれているわけですよ。


その思いが込められた文章の内容に、「1対1」対応できちんと触れて、
それについてお詫びや感謝の言葉を並べていけば、
取りあえずは、二次クレーム(応対クレーム)にならないし、
上手く並べ替えてアレンジすれば、
なんとなく、よさげな文面が出来上がるのではないかと思います。


うーんと、こんな感じ? ちょっとカジュアルですが、
電話番号の書き漏れ程度なら、このぐらいでいいかも。


--------------------------------------------------------
○○○様

AホームセンターのB山C男です。お世話になっております。
先のメールに電話番号を記載せずにお送りしてしまい、
大変失礼いたしました。

(あなたの指摘はおっしゃる通り!)


インターネットで弊社配送部門の
電話番号をお調べいただいたということで、
お手数をおかけしたことをお詫びいたします。

(わざわざ調べて手間ひまかかったんだよね?)


また、こちらの不手際にもかかわらず、
お電話くださったことに感謝を申し上げます。

(電話をくれてありがとうさん)
(謝るだけでなくお礼も述べてちょっとくすぐる(笑)上げて↑上げて↑)



すでにご存じとは思いますが、改めてお伝えいたしますと、
当部門の連絡先は以下になります。

(本来必要だった情報をより丁寧に正確に書いて伝える)
(「・・・になります」 はNG敬語とも言われますが、このぐらいはいいかと)


============
A株式会社 配送部 
022-XXX-XXXX (受付時間9:00~18:00)
担当 B山C男
============

私のミスで連絡先の記載がないメールをお送りしてしまい、
申し訳ありませんでした。

(素直に責任と非を取りあえず認める)

また、これからも気が付いた点があれば、
遠慮なくご指摘ください。

(ウェルカムの意思表示!真摯に受け止めますよ~お客様は神様ですw)

それでは今後ともA株式会社をどうぞよろしくお願いいたします。


===================
署名

===================

--------------------------------------------------------


100点満点じゃないけど、こんな感じかしら。

クレームメールは、文章のうまい下手ではなく、
先方の言い分の「吸い上げ」「すくい取り」が一番大事だと思うんですよね。


その一方で、それほど緊急性を要する重大事項でもない場合に、
「ご指摘を真摯に受け止め」とか「弊社の体制を見直し」とか、
「今後はこのようなことがないように・・・」などと、
不相応に大げさな反省文にしてしまうと、
これまた、「口先だけ」「テンプレのコピー?」と思われてしまうので、
過度に平身低頭しない、さじ加減も肝心かな?と思います。


要は、何かのフォーマットに乗っ取って書いているのではなく、
人が自分で考えて書いた、オリジナルな文面であることが、
一番、相手の気持ちを和らげるような気がします。


また、


私が色々お手伝いしている中で、
特に理系の男子君は、
物事をストレートにシンプルにとらえる傾向があります。


そのため、「電話番号さえわかりゃいいんでしょ?」と、
短くそっけない返信になりがちですが、
「答えが得られたからそれでいい」とは思わないのが、
お客様(特に女性)の人情というものなので、
ぶーぶー言いたい気持ちを、
(たとえ文章の上だけでも構わないのでw)
きちんと受けて留めてあげてくださいね。


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「活かさない」のも方法

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数年前、友人の家に遊びに行って、
夕飯をご馳走になり、
食事の後片付けをお手伝いしたら、
友人が残り物を全部、
あっという間に潔くすべて廃棄しちゃうのでびっくり。


明治生まれの祖母がいる家庭で育ち、
今も実母と暮らす私には、
食べ物の残りをガシガシと廃棄する文化はなく、
たぶん自分ならお料理ごとに、
お皿に分けてラップしたり、
タッパーに入れて冷蔵庫にしまっていると思います。


「え・・・これって明日とか食べたりしないの?」


と、恐る恐る尋ねると、
何を言わんか?といった感じの顔つきで、
「残ったから捨てるだけでしょ?」と、
手も休めずに答えが返ってきました。


あれから数年、当時、会社員だった私も、
今は個人事業主としてひとりで仕事をしているわけですが、
折に触れて彼女の事を思い出すんですよね。
あの、割切りと何も考えない思いっきりのよさを。


それは物事の作業効率という点で、かな。


その是非はひとまず置いといて、私のように何事も、
「もったいない」「物を粗末にしちゃいけない」と思う人は、
それを活かそう、活かそう、という方向で行動しますが、
先の例で行くと、今度は冷蔵庫のスペースの確保や、
新たな汚れ物(お皿やタッパー類)や、
保存した残り物の管理という別の思惑や手間が発生して、
それがなくなるまでは、それなりに気になるというか、
「残り物の処理」という課題が、
それが完了するまで継続するんですよね。


そう考えた時に、全品無条件廃棄という彼女の判断は、
物事を先延ばしせずに即時完結完了させる、
まことに効率的な方法で、恐れ入るのです。


彼女はその当時、仕事がすごく早かったんですが、
ポイントはやっぱり「割り切り」だと思うんですよね。


「できないなら、しょうがないじゃん」(終了~♪)
「ダメならダメって言うしかないでしょ」(終了~♪)


私などはそんなとき、つい未練がましく?、
ほかに方法があるんじゃないか?
双方の妥協点はきっとある!
などと、あれこれ考えて結果的に、
自分に対して余計な手間を増やしてしまうのですが、
それもまたひとつの方法、と、
ある種の割切りを持って対処しないと、
限られた時間を有効につかえない時が多々あります。


あきらめないのが自分の持ち味とは思うけど、
ときには、サクッと「ごめんなさい」で終了させるのも、
個人事業主のスキルのひとつだなぁ…と思う、
今日この頃です。

行動促進は感情の先取りが有効

j0197662.png



最近、ちょっと付け加えただけで、
すぐに効果の出たトークがあります。


私はFacebookで発信するのが好きで、
研修や講演時の最初の自己紹介でも、
それを趣味として参加者の皆さんに
お話しているのですが、
(参加しました、と言って下されば)
「友達申請大歓迎です」とお伝えしても、
今までリクエストをいただいたことがあまりなく、
そりゃそうだよねー、と個人的には思っていました。


だって、そもそも仲良しでも知り合いでも何でもないし、
ある日突然、外部からやってきて、
先生として多少偉そうに?あれこれ話したあと、
数時間で帰って行く人間に対して、
気軽なノリで「さっき会場にいた◯◯でーす」
なんて申請は、なかなかできませんよね(笑)


講師なんてエラくもなんともなくて、
家に帰ればコタツでうたた寝したり、
スッピンにジャージで買い物に行ったりするわけで、
「壇を降りればただの人」なんですが、
研修や講演時はそういうところは想像できませんから、
自分だって逆の立場なら、
リクエストしたいけど出していいのかな?
などと、あれこれ迷ってしまうかもね・・・


あ、そうか。


それを口に出して言ってみればいいんだな。


私はこういう試行錯誤の実験?が大好きなので、
ある日、いつものトークに以下を加えてみました。


「今日は講師として皆さんの前に立っていますので、
リクエストなども出しにくいと思いますが」


そしたらね、これの効果がてきめんで、
毎回のようにリクエストを下さる方が、
現れ始めたんです。面白いですね。


電話応対などでよく、クッション言葉ってあるでしょ?
物事をお願いするときなどに、手前にくっつけて、
印象を柔らげた依頼をするアレです。
「恐れ入りますが」とか「申し訳ございませんが」とかいう、
そう、アレ。


アレは自分は感情の先取りだと思っていて、
何か頼まれて、一瞬、面倒だな、と思った時に相手から、
「お手数ですが」「ご面倒をお掛けしますが」
と言われると、わかっているじゃーん、という気持ちになって、
なんとなく、従ってもいいような気になる、といいますか。


待たされたときも同じですよね。
「随分待たせるなぁ」「思ったより時間がかかるな」
と感じているときに先方が、
「大変お待たせいたしました」
「お時間がかかってしまい申し訳ありません」
などと言ってくると、
こちらの気持ちをちゃんとくみ取ってもらった気がして、
その思いは、そのひとことでクリアされちゃう。
そんな感じ?


だから、「ちょっとやりにくいなぁ」と、
相手の方が思うような事柄に対しては、
「やりにくいとは思いますが」と言ってあげると、
そうそう、わかってるじゃーん、の気持ちが作動して、
その件で、あまり不満に思わなくなります。


こうやって見てみると、人の不満というのは、
その事柄そのものよりも、
それを理解していない相手のほうに、
より強く向けられるのかもしれませんね。


クッション言葉に関しては、
いつぞや、自分が受けた研修では、
「感情の浄化(カタルシス)」と習いましたが、
そんな難しい言葉を使わなくても、
なんとなくわかりますよね。


「そうは言ってもやりにくいよね?」という事柄に対しては、
こちらから「大丈夫。わかってますよ」という
サインを出してあげるのが、有効と思いました。




ホームセンターと言っても

ダイシン中田店



オフィスの郵便受けの合鍵が必要になったのですが、
郵便受けも借り物なので、
勝手につくるのもどうかと思い、
大家さんに確認しました。


すると親切に郵便受けのメーカーに問い合わせてくれて、
「今の鍵をホームセンターに持って行って、
鍵に刻印されている番号を言えばわかるそうです」
とのこと。


そこで早速、最寄りで馴染みのダイシンに持参したのですが、
「うちではできない。カギ専門店へ持って行って」とのこと。


そこでいくつかのカギ専門店に問い合わせるも、
「その番号はわからない」
「持って来てもらわないとわからない」


一番対応のよかったカギの救急車長町店さんに持参して、
似たような原型を時間かけて探してもらい、
試しにつくってもらっても、使ってみると微妙に合いません。


後日、今度は自分で
直接メーカー(新潟県)に電話をしてみると、
「どこに持って行ったんですか?」
「ダイシンですが・・・」
「あー、そこでは扱っていません」
「え・・・じゃ、どこで?」
「ムサシとかホーマックとかです」


あはは、そういうことだったのねー。
新潟県の会社だもの、
その土地土地で色々なホームセンターがあるなんて、
やっぱりわからないよね。
大家さんが問い合わせた時の担当者さんは、
ホームセンターならどこでも扱ってそうな、
そんな口ぶりだったんじゃないかな、きっと。


でも、中田地区の住民は、
ホームセンターと言えばダイシン中田店か
ダイシン柳生店なんだな、これが(笑)
(昔はコメリもあったけど)


「あ、コメリはどうですか?」
「もちろんコメリでも扱っています!」


だよね、コメリこそまさに新潟県の会社だものね。


本音を言ったら「お住まいの地域は・・・」と尋ねて、
「宮城県なら◯◯か××」と答えて欲しかったと思うけど、
フリーダイヤルに電話しても普通のおばちゃんだったので、
ま、しょうがないかなーと意外に寛容な笹崎でした^^


ちなみに私が電話した時のおばちゃんですが、
ぶっきらぼうな言葉遣いで態度も無愛想なのですが、
受け答えが非常に的確で、
お話の内容も機転がきいていてとてもGOOD!


話し方の雰囲気と説明のクオリティが
これほど合わない人も珍しいw
少々粗雑な印象でしたが、
知りたい事が余すことなく100%得られて、
私は超満足です。

きっと、お客様対応にはものすごく慣れていて、
本当は親切な地元のおばちゃんなんじゃないかなーって、
思いました。

若い人はまず説明から

説明



昨日書いた「人に鍛えられる」に関する話題を、
朝食時に家族に話したら、
意見が一杯出て、最後にはテーマが少々違う方向へ。


まとめると、上の世代の人達は、
「仕事は先輩のやり方を見て自ら覚える」という文化の中で、
自分達もそれが当然と思ってやってきたけれど、
今の若い人達は「仕事は教わるもの」と思っているので、
そこに大きな齟齬が生じる、ということでした。


あぁ、そうですね。それは確かにそうだと思います。
でも自分のことを振り返ってみると、
私自身は「若い人」と今言われている人達の
考えの方にかなり近かったと思います。


だから教える仕組みが整っていないと不満でしたし、
先輩の教え方が上手じゃないと、
「なんでこの人が育成担当なの?」と、
瞬時にやる気を失いましたし、
誰も丁寧に教えてくれない時は、
会社の社風そのものに疑問を持ったりしました。
人にちゃんとした仕事をして欲しいのなら、
そういうところをきちんとしないとダメじゃん、と思いました。


それがそう思わなくなったのは、
色々ときっかけがあるのですが、
1つめは製造の仕事をしていたときに、
単純作業の繰り返しがあまりに退屈でつまらないので、
せめてもの自分の心の楽しみのために、
数の目標設定をしたことです。


実は私は数値目標だけでは
なかなか意欲が上がらないタイプなのですが、
いいタイミングでそこに
高飛車で嫌味な先輩(女性)が現れました。
新しいラインに移って少し言葉を交わしたら、
そこでいきなり「そのやり方じゃ数なんて一生上がんない」と、
頭ごなしにダメ出しされたのです。


言い方も意地悪な感じだったのでその物言いにも納得がいかず、
その日は一日不快な思いだったのですが、
次の日、「こういう人にこそ近寄って教えを乞えば、
仲良くもなれるし、ヒントも得られるだろう」と、
ふと思ったのです。・・・で思いついたら早速実行!


そしてその先輩とはすっかり親しくなり、
やがて私の目標になり、
彼女に追いつき追い越すためにはどうしたらいいか、
本気で真剣に考えるようになりました。


こうなるともう
「教えてくれる・くれない」の世界ではなくなり、
常に早い人と自分を見比べて直せるところは直し、
自分の手数や手順に少しでも無駄を発見したら、
どうすれば効率よくなるか自分で考えてまた修正して、
そうしているうちに1日の生産個数が、
どんどん上がってきました。先輩にも追いつきました。


そしてあれほど退屈で、
「お金のため」と割切っていた仕事が、
すっかり楽しくなってきました。
そしてその時のその先輩は今でも会えば話が弾む、
素敵な友達になりました。



今から15年以上も前の話ですが、
このあたりから、自分は変わって来たんですよね。


    *    *    *    *    *    *


次の仕事はプロバイダのコールセンターでしたが、
これは当時の自分にとっては
本当にハードルの高い難しい仕事で、
研修を受けても何がなんだかさっぱりわからず、
その状態であっという間に独り立ちさせられて、
休日はたったひとりで全国からの問合せに対応するんですよ。


今ならあり得ない話ですが、
当時のセンターは応対品質にも無頓着で、
人の育成もそんな感じでした。


しかしこれは逆に必死にならざるを得ません。
だって助けてくれる人が誰もいないんですから。
物事をよく理解して、
人に伝えられるようにまでなっていないと、
自分が一番困るのです。
よくわかっていない分野の難しい質問が来た時などは、
手から顔から汗が一斉に噴き出します。


法人部門だったのでお問合せを下さる方は、
ほとんどが会社のシステム担当者やIT系のベンダーさん。
付け焼刃で電話に出ている素人同然の私などより、
よほど詳しくキャリアのある方達なのです。
その方達が自分達よりも詳しいと思って、
専門用語をバンバン駆使して質問をしてくるのですが、
休日は聞ける人が周りに誰もいません。


ここから先は本当に毎日よく勉強しましたし、
受験の時よりも必死になってやったので、
このぐらいの真剣さと崖っぷち感があれば、
きっと希望校も受かっていただろうと思えるぐらいでした。


結局人って、自分にとってストレスのある環境が与えられて、
どうにかそれを回避したいと思えば、
それなりにあれこれと自分で考える物なんですよね。
たとえそこで得た結論が、前向きなものではなかったとしても。


    *    *    *    *    *    *


当時の私は家計が切羽詰っていたので、
働く一番の理由はとにもかくにも収入でした。


前述の仕事はどちらも30代後半を過ぎてからだったので、
辞めるという選択肢は全く頭になかったのですが、
今も昔も、若い人達はそこまでの切迫感はないと思います。
「嫌気がさしたら辞める」というのは私の頃にもよくあり、
決して今の人達だけの傾向じゃないと思うんです。


では何が違うかと言えば、
教育全体が人に対してとても神経質に緻密になって、
「自分達は大事にされて当たり前」という考え方が、
大勢を占めるようになっちゃったことだと思うんですよね。


でもそこに文句を言ったって始まらないです。
そこにその事実がある以上、
人の育成も少しそっちに寄って行かないと、
確かに齟齬も出てくると思います。


自分がリーダー職で新人さんを育成する時に、
やってよかったと思うことは、
「最初に説明する」「予告する」「イメージさせる」
ということでしょうか。


いつでもどこでも手取り足取り丁寧に教える・・・のではなく、
「業務上、先輩達にはその余裕がないから、
途中からは自分で勉強していかないと付いていけなくなるよ」
と最初のうちに言いましたし、
「先輩達は忙しいから黙っていたら誰も教えてくれないけど、
やがて皆さんにもそれがわかるはずだから恨んじゃダメね」
「ここでは『仕事がわからない』
イコール『お客様に迷惑をかける』ことだから、
嫌な顔されても忙しそうでも緊急性がある事なら、
必ずつかまえて判断を仰ぎなさい。仕事ってそういうことです」
とも言いました。


私と同じように、業務が難しくて日々苦労している新人さんには、
「どんな人でも4000件電話を取ったら世界が変わるから
それまでは向き・不向きなど考えないで4000件取ってから考えて」
と言った事もありました。(計算したらだいたい3ケ月でした)
自分がそうだったから、だいたいの目途をイメージしてもらうのも、
ストレスの軽減になるかな?と思って。
人は先が見えると辛抱できますもん。


今の若い新人さんでも、
「会社は仕事を教える学校ではありません」
「ここの職場では先輩達はこう思っています」
「当社ではこれこれこういうことを重視します」などと、
・できるだけ最初に
・少々厳しめに
・口頭で明確に
・個々に直接そう告げて(全体の訓示でなくリーダーが現場で)
まだ意欲的で素直なうちにしっかりYESを取っておくことで、
昔からのやり方を踏襲している会社でも、
少しはタフな気持ちで、
付いて来てくれるのではないかと思っています。


そんなことは最初からわかっているのが常識なんて言わずに、
当たり前のことでも一度言葉にして伝える。初めに分かり合う。
今はそのひと手間が肝心だと思います。


人に鍛えられる

w600_t①②③



先月、山形県の数社合同の研修の講師に招かれ、
懇親会にも参加させていただいたのですが、
隣に座った青年のお酒の席での振舞いが素晴らしくて、
本当に感心してしまいました。


礼儀正しく言葉遣いも丁寧なうえに、
目配り気配り心配りに過不足がなく、
かといって過度の慇懃さは全くなく、
どうすればこんな人が育つのか?と、
つい思ってしまいました。


というのも、実はその少し前に研修で伺った、
青森県のある会社の支社長さんに、
「最近の若者は得意先をご招待するような
酒席での振る舞いがなってない」
と伺ったことがずっと心に残っていたからです。


聞けばその青年は商品開発に関わっている、
技術系の仕事とのこと。


お客様と直接接する営業職でもないのに、
この立ち居振る舞いはすごいなぁ・・・と感じ、
それを告げてふと思ったのですが、
院卒でいかにも理系と思われる雰囲気のこの方が、
ここまでなるにはそれ相応の経験があったはず。


「会社で相当鍛えられたでしょう?」
と、水を向けてみると、「はい、鍛えられました」
という返事が返ってきました。
あーなるほど、やっぱりね。
うんうん、きっとそうなんでしょうね。


技術系の先輩達は厳しい方が多いらしく、
仕事にしても宴会にしても上下関係にしても、
入社した当初から随分怒られて、
「今でも怒られてます」とのこと。
でもこの方、新人さんでは決してなく、
お子さんもいらっしゃる若いパパなんですよね。


先輩達に怒られて怒鳴られて、
悔しい事も葛藤も一杯あるでしょうに、
それでも辞めずに時に従順に時に反抗しながら、
色々折り合いをつけてやっている結果が、
この配慮とこの動き!と思うと、
人は人に鍛えられてこそなんだなぁと、
思わずにはいられませんでした。


そしてその青年、Fさんには、
「大丈夫。今のFさんは会社にとって
どこに出しても恥ずかしくない人材になっているよ!」
と言わずにはおれませんでした。


    *    *    *    *    *    *


少し前からある会社さんのメルマガのお手伝いとして、
ひと月に一人の社員の方を取材させていただいています。
そこでも皆さんが口を揃えておっしゃることは、
「この会社に入って本当に色々な事を学んだ」
ということです。


「上司に、『お前、無知だな』って言われました」
「それまでは世の中に無関心で、
知らなくても別にいいや、という感じでしたが、
今では知らないということを
恥ずかしいと思うようになりました」
「今までは常識とか社会習慣とか、
そういうこともわからなかったです。
随分お客様に教えられました」


取材を通してひしひしと伝わってくるのは、
仕事を通して色々な事に気づき、成長していく姿と、
教えてくれる「人」の存在です。


施工やメンテナンスを行う会社さんなので、
新人さんにとってはそれなりの厳しさもあると思いますが、
そんな中で鍛えられて、
仕事と人間関係のスキルを付けて行くのが、
本来の仕事人の育ち方のように思うのです。


人材教育などと言うと、
最近は「人に優しい」手法ばかりが
よしとされているような傾向も感じられますが、
上司や先輩に圧倒的な技術力や成功実績があれば、
部下や後輩はたとえ厳しくてもそこそこ付いて行きますよ。


前述のFさんが私にこう話してくれました。


「先輩達が過去に作った製品資料を見ると、
本当に凄いなと思います。かなわないと思います。
今ならあり得ない金額で、これだけの製品を作っている。
当時はものすごく技術が高かったんだと思います。」


その思いがあればこそ、なんだよね、きっと。




低姿勢の弊害

w200_花瓶



先日、ある職業訓練センターで、
クレーム応対の研修を行いました。
会員企業各社の社員の方達が参加される研修なので、
業種もポジションも異なる方達が集まります。


どういった皆さんが参加されるかは、
当日会場に行ってみないとわからないので、
講師の私としては、
当日集まった皆さんの全体像や最大公約数を考えながら、
その時々の状況に応じて臨機応変に進めていきます。


一概にクレームと言っても、
業種と対象によって対応が大きく分かれる場合があります。
特にクレームを申し立てて来た方が、
一般の方なのか、業者なのか、
エンドユーザーなのか、取引先なのか、によって、
優先するポイントも変わってくると思います。
クレームの世界でも、BtoCとBtoBがあると思うんですよね。


今回は、BtoCとBtoBの方が約半々でした。


BtoCの初期対応のポイントは、
やはり感情のクールダウンと浄化にあるでしょう。
誠実に謝罪し、すみやかに対応するのは当然ですが、
お客様の言い分に耳を傾け、お客様の状況を理解し、
「確かにその点はもっともだ」と一部を認めて共感しながら、
解決のご提案や、企業としての方針を示していきます。


一方、BtoBの場合は、
感情に焦点を当てることはそこそこに押さえて、
代案の提示や今後の流れなどを、
論理的にやりとりしていく冷静さも必要になります。
もちろんクレームを述べてきた相手先担当者さんの、
キャラクターにも寄りますけどね^^


    *    *    *    *    *    *


大人数ではなかったこともあり、
今回の研修はロープレを中心に進めて行ったのですが、
それでひとつ、自分が気づいたことがあります。


皆さんの応対が必要以上に低姿勢すぎるのです。


むろん、低姿勢は決して悪い事ではありません。
むしろ、どの方も誠意をもって真摯に対応ができることを、
素晴らしいことだと思いました。
今回はスキルの高い皆さんが参加されているのだと痛感しました。


ですが度を超えた低姿勢は以下のような弊害もあります。


①トークが長くなりがちで相手を苛立たせる
②奥歯に物がはさまったような表現になり結論が伝わりにくい
③その場での上下関係を固定し相手の態度を助長させてしまう


ここで必要になるのは、
平身低頭してひたすら謝るだけでなく、
爽やかで清々しい主導権をもって、
いかに苦情申立者をコントロールしていくか、です。


言い訳やお詫びの言葉を長々と並べ立てるのではなく、
どこかのタイミングで 「では」 と前置きして、
こちらの提案に耳を傾けてもらうための切り替えや、
会社として対応できることとできないことを、
誠意と愛情を失わずにいい感じで明確に伝えられる姿勢、
そして、「あなたのために最大限の努力をしている」事を、
感じ取ってもらうための、解決に向けた毅然とした態度…


そういったテキパキとしたアプローチが、
「この人はそれなりの人物だ」と、
相手が信頼感を持ち居住まいを正すきっかけにもなりますし、
納得のいく解決策をこちらから提案をしていくことで、
先手の主導権を取ることができるのです。


"毅然としている"のは逆効果のように思われますが、
「すぐに確認します」「今すぐ担当者を向かわせます」
と、明快に約束していただくと、相手は溜飲が下がるもの。
そういったところで、無駄なく簡潔に、
対応策の提示ができるかどうか、だと思うんです。


あまり大きな声では言えませんが、
極端に感情的になって、
自己都合だけである事ない事を言ってくる、
ヒステリックな個人のお客様は逆に対応しやすいのです。
こちら側も腹をくくり長時間対応を覚悟したうえで、
じっくりお話を伺っていれば、必ず糸口はつかめます。
(それを逃げようとするから話がこじれるんです^^)


ですが、そうでないクレームで理屈にも矛盾がなく、
会社としてのあり方や姿勢を正当に指摘してくださっている場合は、
こちらも先方にビジネスパーソンとしての敬意を払うべきです。
その敬意の表れが、必要以上に「感情に焦点を当てない」で、
ビジネスに徹したやりとりに終始する事だったりするわけです。


あなたも有能なビジネスマンであるならば、
こちらにもそれなりのやむにやまれぬ事情があるのは、
ご理解していただけますよね?
残念ですがすべてのリクエストにはお応えはできませんが、
できる範囲で最善の対応をさせてください。
それが私からあなたへの最大の誠意です。
と、共感していただくためのアプローチです。


「低姿勢」ってね、一見いいように見えるのですが、
相手によっては、むしろ「低く見られている」と、
感じさせてしまう傾向もあるんですよね。
(謝ってさえいればいい人物と思われる危険性が…)


あるいは「言えば何とかなる」と感じたお客様を、
苦情の常連者にしてしまったり、
ゴネ得の空気を作ってしまうかもしれません。


またクレーム申立者の中には、
「謝罪を求めてはいない、むしろ改善を求めている」
という方もいらっしゃいますが、
その方達が望んでいるものは、
姿勢ではなく、確約とその実行や進捗報告ですよね。


相手の主旨をよく理解し、その時々でモードを変えて、
柔軟に対応できるのが、達人への第一歩だと思います。
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